基幹システム
公開: 2025年09月02日 管理者 37 views 更新: 2025年10月15日

担当者しかわからない業務とは?属人化の実態

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担当者しかわからない業務とは?属人化の実態

みなさんこんにちは、株式会社みんなシステムズの営業の岩永です。
今日は多くの企業が抱える「属人化」という問題について、私たちが実際に経験したお客様の事例も交えながらお話しさせていただきますね。

担当者しかわからない業務とは?属人化の実態

業務の属人化とは?基本的な概念を理解する

業務の属人化とは、特定の担当者のみが業務の詳細を把握し、他の人では対応が困難な状態を指します。この状況では、担当者しかわからない業務が組織内に蓄積され、業務継続性に大きなリスクをもたらします。

実際に、先日長崎県佐世保市のお客様から「田中さんが急に休んだら、在庫の確認方法がわからなくて営業が止まってしまった」というお話を伺いました。これこそが典型的な属人化の問題なんですね。一人の担当者に依存している業務は、その方がいなくなった瞬間に組織全体に影響を与えてしまいます。

属人化は決して珍しいことではありません。むしろ、多くの企業が「うちもそうかも...」と思い当たる節があるのではないでしょうか。特に中小企業では、限られた人数で多くの業務をこなす必要があるため、気づかないうちに属人化が進んでしまうケースが非常に多いんです。

担当者しかわからない業務が生まれる原因

マニュアル化されていない作業手順

多くの企業で見られる問題として、日常的な業務手順が文書化されていないことが挙げられます。口頭での引き継ぎや個人的なメモのみに依存している状態では、属人化が進行しやすくなります。

「この操作、前任者から教わったんですが、どうしてこの手順なのかよくわからなくて...」なんて話、よく聞きませんか?理由がわからないまま業務を続けていると、改善もできませんし、他の人に教えることも難しくなってしまいます。

長期間同じ担当者が業務を継続

同一担当者が長期間業務を担当することで、その人独自の工夫やノウハウが蓄積されます。これにより、他の人では再現困難な業務プロセスが形成されてしまいます。

ベテラン社員の方の経験や知識は本当に貴重なものです。でも、その知識が個人の中だけにとどまっていては、組織としての財産になりません。佐世保市のお客様も、「山田さんは何でも知ってるから、みんな山田さんに聞いちゃうんです」とおっしゃっていました。山田さんにとっても、常に質問攻めで本来の業務に集中できない状況になっていたそうです。

複雑な業務フローの放置

業務が複雑化しているにも関わらず、整理・標準化を行わずに放置することで、担当者以外には理解困難な状況が生まれます。

時間が経つにつれて、システムの追加、運用ルールの変更、お客様の要望への個別対応など、様々な要因で業務は複雑になっていきます。「これは特例で...」「この案件だけは別の方法で...」といった対応を重ねていくうちに、迷路のような業務フローができあがってしまうんですね。

属人化が引き起こすデメリットとリスク

業務停止のリスク

担当者の急な休暇や退職により、重要な業務が完全に停止する可能性があります。特に顧客対応やシステム運用においては、深刻な影響を与えます。

冒頭でお話しした佐世保市のお客様の例がまさにこれですね。在庫確認という基本的な業務が、一人の担当者に依存していたために、その方が不在になった途端に営業活動がストップしてしまいました。お客様からの問い合わせに「担当者が戻るまでお待ちください」と答えるしかない状況は、企業の信頼性に関わる大きな問題です。

品質のばらつきと効率性の低下

標準化されていない担当者しかわからない業務では、品質管理が困難になり、組織全体の生産性低下を招きます。

同じ業務でも、担当者によって処理方法や時間が大きく異なることがあります。経験豊富な方は効率よく処理できても、新人の方や代理で対応する方は時間がかかってしまう。結果として、お客様へのサービス品質にもばらつきが生じてしまいます。

また、属人化が進んでいると、業務改善も困難になります。「なぜこの方法なのか」「もっと効率的な方法はないのか」といった検討ができないため、非効率な業務がそのまま続けられてしまうことも多いんです。

担当者しかわからない業務の具体例

システム運用・保守業務

  • サーバー設定の詳細パラメータ
  • 障害対応時の特殊な手順
  • データベースの独自カスタマイズ内容
  • バックアップの取得タイミングと復旧手順
  • 外部システムとの連携設定

システム関連の業務は特に属人化しやすい分野です。「この設定を変更するときは、必ずAの処理をしてからBの処理をする」といった、一見当たり前に思える手順も、実は重要な意味があることが多いんです。でも、その理由を知っているのは設定した本人だけ、という状況はよくあります。

顧客対応・営業業務

  • 重要顧客との特別な取引条件
  • 過去のトラブル対応履歴
  • 個別カスタマイズされた提案手法
  • 顧客の担当者の好みや特徴
  • 価格交渉の経緯と根拠

営業の分野でも属人化は深刻な問題です。「○○会社の件は鈴木さんじゃないとわからない」という状況は、鈴木さんが異動や退職をした時に大変なことになってしまいます。お客様との関係性はもちろん大切ですが、組織として対応できる体制を作っておくことも重要なんですね。

属人化解消のための効果的な対策

業務マニュアルの作成と更新

詳細な作業手順書を作成し、定期的に更新することが重要です。画面キャプチャや動画を活用することで、より理解しやすいマニュアルが作成できます。

ただし、マニュアル作成は「作って終わり」ではありません。業務が変更された時には必ずマニュアルも更新する、定期的に内容を見直すといった運用が必要です。「マニュアルがあるけど古くて使えない」という状況では意味がありませんからね。

定期的な業務ローテーション

計画的な人事異動や業務分担の見直しにより、複数の担当者が業務を理解できる体制を構築します。

これは人材育成の観点からも非常に有効です。様々な業務を経験することで、社員の方のスキルアップにもつながりますし、組織全体の対応力も向上します。

システム導入による業務標準化

ここで、私たちが実際にお手伝いした佐世保市のお客様の事例をご紹介させてください。このお客様は、まさに属人化の問題で困っておられました。

以前のシステムでは、在庫確認や顧客情報の検索に非常に時間がかかり、操作方法も複雑で、特定の担当者しか使いこなせない状態でした。営業の方が外出先から在庫を確認したくても、オフィスに戻って特定の担当者に聞くしか方法がなかったんです。

そこで、基幹システムのリプレイスを行いました。新しいシステムでは、UIを大幅に改善し、直感的な操作で誰でも必要な情報にアクセスできるようにしました。営業の方もタブレットから簡単に在庫状況を確認できるようになり、お客様との商談中にリアルタイムで納期をお答えできるようになったんです。

結果として、以前は在庫確認だけで30分かかっていた作業が、わずか3分で完了するようになりました。営業の生産性は格段に向上し、お客様からの評価も大幅にアップしたとのことです。

ナレッジベースの構築

個人の知識や経験を組織の財産として蓄積していくために、ナレッジベースの構築も重要です。FAQ形式で「こんな時はどうする?」という情報をまとめておくと、新人の方でもスムーズに業務を覚えることができます。

佐世保市のお客様でも、システムリプレイスと同時に、よくある質問や対応方法をデータベース化しました。これにより、経験の浅い担当者でも、ベテランと同じレベルの対応ができるようになったんです。

属人化解消の進め方とポイント

段階的なアプローチ

属人化の解消は一朝一夕にはできません。まずは影響の大きい業務から優先的に取り組み、段階的に範囲を広げていくことが大切です。

佐世保市のお客様の場合も、最初は在庫管理システムから着手し、成果を実感してもらった上で、顧客管理、売上管理と順次範囲を拡大していきました。一気にすべてを変えようとすると、現場の混乱を招いてしまう可能性があります。

現場の協力を得るための工夫

属人化解消の取り組みは、現場の協力なしには成功しません。「これまでのやり方を否定されている」と感じられないよう、現在の業務の価値を認めつつ、より良い方法を一緒に考えていく姿勢が重要です。

ベテランの方の知識や経験は本当に貴重です。その知識を組織全体で共有することで、ベテランの方の価値がさらに高まることを理解してもらいましょう。

継続的な改善体制の構築

属人化解消は一度実施すれば終わりではありません。新しい業務が発生したり、人事異動があったりする度に、属人化のリスクは生まれます。定期的に業務の棚卸しを行い、属人化している業務がないかチェックする体制を作っておくことが大切です。

まとめ:組織全体で取り組む属人化対策

担当者しかわからない業務の解消は、組織の持続的成長に不可欠です。マニュアル化、業務標準化、そして定期的な見直しを通じて、誰もが対応可能な業務体制を構築することが重要です。

私たちが佐世保市のお客様とお取り組みした事例のように、システムの力を活用することで、属人化の問題を大幅に改善することができます。UIの改善により作業時間を短縮し、どこからでもアクセスできる環境を整えることで、業務の標準化と効率化を同時に実現できるんです。

属人化の問題は、放置すればするほど深刻になっていきます。「うちの会社も思い当たる節がある」とお感じになった方は、ぜひ早めに対策を検討してみてください。小さな一歩から始めても、確実に組織の力は向上していきますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。属人化の問題は多くの企業が抱える共通の課題です。みんなで知恵を出し合って、より良い組織作りを進めていきましょう。

管理者

記事執筆者・監修者

最新のテクノロジートレンドや開発手法について、実践的な知見を共有しています。 業界の専門知識を分かりやすく解説することを心がけています。

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